妄想旅行記 #0
旅行がしたい。
そう、旅行がしたいのである。
行ったことのない場所へ行き、何か気づきを得たり得なかったりして、ひと回りオトナになる、
なんてことはないのだが、引きこもりだってたまには外の世界へ出てみたくなるのだ。
あと、 ちょっと無茶がしたい。 実家暮らし人間はスリルやハプニングに飢えている。肥大し続ける冒険心をなだめすかして何とか今日をやりくりしているのだ。
しかし、このご時世、旅行に行ったなどとSNSで知人や友人に報告すれば、 風当たりが強い のは想像に難くない。
いつかの考えなしなアルバイターのように火をつけられて ネットリンチに遭う のは願い下げである。
身の回りで火がつくのはキャンプファイアー感覚で娯楽として楽しめるが、せっせと燃料には成り下がりたくないのだ。
「旅行は計画時が一番楽しい」
そんな至言もあることなので、今回は計画を記していこう。時間はある。
つまり、
「この作品はフィクションで、実際の人物、企業、土地、駅近のマンション云々は関係がありません」
という感じである。
ああそうだ。
理系学生たるもの、 先行研究 は示しておかねばならない。
「友近・礼二の妄想トレイン」
偉大な番組である。
2人のメインパーソン、名前だけでなんと情報量の多いことか。
「妄想トレイン」にそれがかかるだけで番組内容が容易に察せられる。
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▶︎行き先を決めよう。
……
…………
…………よし、北陸だ。
日本海見たことないし。花粉少なそうだし。
決して今見ているテレビで白えびを食レポしていてそれが美味しそうだからというわけではない。
どうやって行こうか。
実は冒険心を満たしに行こうとすると、移動にかかる費用は必然的に下がっていく。
新幹線など、僕の中では下の下である。時間が本当にない時しか選択肢にはない。
でも、朝に目的地に到着して長く観光したい。さらに北陸への鉄道といえば道のりを考えると、新幹線がいちばん便利ではあるのだ。
一見ジレンマのこの状態を打開する策はひとつだけある。
夜行バスだ。
夜行バスはちょっとスリリングで、寝てる間に移動できる、ひとり旅の優れもの。
しかも、大都市圏出発の夜行バスは意外と高くないのである。
東京→京都・大阪や、今回用いる東京→富山・金沢は ¥3000 ほど。
18きっぷが日割りで¥2400なので、上記のメリットを踏まえると、かなりリーズナブルに感じられる。
というわけで、
23:10
町田バスターミナル を出発した。
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1日ずつ更新できれば良いかな、と思っていますが、だいたい途中で飽きちゃう。